今からアメリカの議員たちと話をしに行くのですが、日米の政治の成り立ちの違いが、私をここに来させているのかと思います。政治の成り立ちも文化も違う。
アメリカの方が、異なる意見が対立してぶつかり合い、ディベートにディベートを重ねることが通常なのです。
日本は党派を超えて迎合する傾向にある。例えば自民党がTSMCを推進していると、他の政党も何となく迎合して、お金の流れについて、なぜそう決まったのかという意思決定のプロセスについて、問いただす議員がまったくいない。
どんなにファーウェイやTSMCがロビングをしても、アメリカは反対する議員が必ずいて、その人たちが組み、それに対して制裁を加えるということができる。
ファーウェイに関して言えば、アメリカでは法的に制裁を与えることが決まっているわけですが、日本ではまったく法的に制裁は与えられていない。
冷静に考えると、日本はファーウェイを禁止していないのです。ファーウェイはいまだに日本国内にあるし、ファーウェイ製品も出回っている。
NTTが入っているビルの真隣に、ファーウェイのヘッドクォーターが入っている。ファーウェイが企業の技術を盗む、嫌がらせをすることを許しているのが、いまの日本の現状なのです。
アメリカもファーウェイに対する政策が上手く行っているかと言えばそうではないが、それでもアメリカ国民の情報を盗もうとしている企業を、アメリカ国内から締め出そうという努力はしています。
でも日本はそういった努力すらまったくしていないのです。もう与党も野党も迎合してしまって、ファーウェイに対して制裁は与えないという方向に動いているからです。
アメリカでは9月14日にファーウェイが新しいスマホに最先端の半導体チップを搭載したとニュースで流れて以来、すぐに追加制裁をしようというレターが出された。アメリカは少なくともファーウェイのようなスパイ活動をする企業に対する制裁を与えようと本気で戦う議員がいる。
どのような法案に対しても、とことんディベートを繰り返す。同じ党の中でも反対票を投じる人がいる。その人に対して、なぜ反対票を投じるのかを、党の中で交渉し、自分に有利なカードを引き寄せるためにディベートして取引をする。賛成票を投じたら何をしてくれるのかを議員の中でやり合う。
日本だと自民党の幹部が、法案を通すから「分かったな」と言えば、「ハイ分かりました」と賛成票を投じる以外しかない。
この点がまったく違い、反対しても許されるのがアメリカ議会です。党内での政治です。そういう違いがあります。今日も議員、スタッフと話し合いをして、いまF35の中にどのような問題が起きているのか、その根本的な問題がどこにあるのかを話そうと思う。
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