■ 米戦闘機のTSMC製の半導体チップにスパイ回路
F35がサウスカロライナ州チャールストンサウス上空で忽然と姿を消した問題について、ワシントンDCで話をしてきた。
最初はF16米戦闘機にスパイチップが仕込まれた問題を、提起するのが目的だったが、消えたF35に対してもフォーカスをした。
数年前にF16戦闘機が3機訓練中に行方が分からなくなり、通信もレーダーも効かなくなったので、他のジェット機が目視で探索して回収することができた。
TSMCは関連する浙江財閥傘下の半導体企業と連携して、世界の半導体製造を独占し、業界の技術を盗み、競合を潰してチップにスパイ回路を仕込んでいる。
以前にも政府用のマザーボードにスパイチップが埋め込まれていた問題が一部で報道されて話題になったのだが、F16にスパイ回路が組み込まれたTSMC製の半導体チップが入っていたことについてはニュースになっていない。
TSMCに製造を頼んだチップから、オリジナルの設計には無いはずのスパイ回路が仕込まれていたことが判明したが、このアメリカの国家安全保障局NSAの情報が、議員チームに行き渡っていなくて知らなかったことでかなりのショックを受けていた。
ワシントンDCの関係者と話をすると、F35のチップの製造のかなりの部分も、アメリカ国内から台湾に移管されていた。TSMCに頼らざるを得ない状況なのだと言っていた。
特にインテルはマーケット自体が中国に依存していて、製造もTSMCにかなりの部分を頼り始めている。アメリカ自身の半導体製造が弱まっていて、それが軍事的な弱点になっている。
今回のF35が忽然と上空で姿を消したことは、米軍、海兵隊、議会にとっても非常に衝撃的な話なのだが、F35は常に中央の司令塔と繋がっているので、なぜか通信が途切れて追跡することができなかった。
現在、破片らしきものだけが見つかっているのだが、民間に見つけてくださいとツイートしたり、フェイスブックに投稿したことが、アメリカ市民の間では笑い草になっている。
■ 戦になればパイロットはみな戦闘機から放り出される
F35の消失事件は、単に1機消えただけの問題ではなく、JSF計画(ジョイント・ストライク・ファイター)として作られたものだ。戦闘機から他の兵器のミサイル、ドローン、無人機、戦車に指令を出し、攻撃をさせる機能を持つ戦闘機なので統合打撃戦闘機と呼ばれている。
自分の機に搭載しているミサイルを発射するだけではなく、遠隔で味方の戦闘機、無人機、ミサイルも操作することができる機能が備わっている。
今回の事件が、F35がハッキングされたことによるものであれば、今後にハッキングされて同盟国を攻撃したり、トランプ前大統領にミサイルを発射したり、アメリカ市民を攻撃したりと、とんでもない混乱を起こしかねない問題に発展して行く可能性がある。
今回の事故の後、海兵隊は2日間ほど訓練を中止しているが、なぜ通信が途切れたのか、なぜパイロットが途中で脱出したのかを徹底的に解明しなければならない。
脱出したパイロットの話はまだ上がってきていないのだが、脱出する前に、戦闘機をどこに着陸させるかを決めなければならないプロトコルになっている。
今回の事故の一番の問題は、パイロット自ら脱出したのではなく、F35の方から緊急扱いで強制脱出させられた可能性があることである。
仮にF35がハッキングされてパイロットを吐き出したりすると、有事に中国にハッキングされ、パイロットが全員戦闘機から吐き出されるとしたら、アメリカは確実に負ける。この欠陥を残したままF35戦闘機を運用してよいのかが大きな不安が残る。
立ち返ってみるとF35のジョイント・ストライク・ファイター計画の時に、弊社のジェイソンがチップ設計に関わっていたが、彼が追い出された後、誰がチップ設計に入ったのか、そして、いつの間にTSMCに製造が移管されたのかを調査しなければならない。
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