米下院議員「中国軍事侵攻で民間企業●●を爆破」宣言 (2023.05.06) No.509


■    台湾はアメリカ製兵器を中国に流す

中国が台湾を軍事侵攻したら、世界の半導体の約 60%、70%を生産しているのは台湾だから、台湾を守らなければ世界の経済は破綻すると、これまで世界に宣伝してきたが、今回このようなニュースが中国で出た。

5月6日10時、新聞網のニュース
『米国会議員は、中国を抑止するためにTSMCを爆破することを必至に提案した』
台湾海峡で戦争が始まれば、米国は最初にTSMCを爆破するべきだという議論は、米国の政界で再び議論を巻き起こした。米民主党下院議員のセス・モルトンは最近のシンクタンクで開催されたセミナーで、中国は台湾を侵略する場合、TSMCを爆破することを明確に知っておくべきだという考えを再び提唱した。 同じ討論に参加した米下院外交委員会委員長マイケル・マッコールは、4月に台湾を訪れた際、蔡英文総統から私の武器はどこにあるのと尋ねられたことを明らかにした。

ミルケン研究所で3日に開催されたグローバルフォーラムで、モルトン議員は中国とアメリカは、もし中国が台湾を侵攻した場合、TSMCを破壊することを明確にする必要がある。私がこのアイディアを捨てたのは、それが最善の戦略ではないからです。それは単なる例であり、もちろん台湾の人々は、そのアイディアを好ましく思わないでしょうと述べた。
アメリカはTSMCを爆破することについて、これまで少なくとも3回は言及してきた。

こうして公の場で、中国が台湾をそれでも侵攻したいと言うのだったらTSMCを爆発すると、ついに言ったということだが、中国が台湾海峡を越えて台湾を侵攻するぞ、侵攻するぞ。だからアメリカは台湾に対して最先端兵器を売るべきだというロビングがここ数年ずっと起きている。

それに対してアメリカは、台湾は中国の一部だと認識しながら、中国は敵だけど、台湾は友達だと言う二枚舌外交をやっている。

台湾は台湾で、自分たちは中国をずっと助けているが、アメリカから最先端兵器を入手して、その技術を中国に移転することで、中国から何か見返りがあるので、 一生懸命アメリカでロビングをしている。

アメリカも二枚舌、台湾も二枚舌、中国も二枚舌をずっとやってきている。それに対してあまりにも台湾が最先端兵器をアメリカに売ってくれっていう話を何度もするので、アメリカは両方に釘を刺した。


■    公の場で中国と台湾に脅しをかけた

TSMCを爆破せよというアイディアのオリジナルは、米軍の陸軍戦争大学が発行してもっとも読まれた軍事論文「壊れた巣」である。そこで紹介された台湾焼土戦略が、アメリカの政界の中で、民主党だけでなく共和党の間でも広がっている。

上院、下院、そして超党的に共有されているアイディアなのだ。アメリカは今二つの最前線を抱えることはできない。中国が台湾海峡を越えて台湾に侵攻してきた時に、米軍の兵士の損害を小さく抑えながら台湾を守るにはどうしたらいいのか。そのためには中国が一番欲しがる価値のあるもの、即ちTSMCを爆撃するのが一番良いというのが、その論文から出ている。

アメリカの政界の間では確かにそれが一番コストの低い解決策だと合意に達している。ただし5月3日のグローバルなフォーラムでは、モルトン下院議員の話は少し冗談めかして言われていて、すぐさま元米国国防総省政策次官がTSMCを爆破することはできない。2兆米ドルの世界経済への影響を与えて世界の製造業を停止させることはとんでもない。これはひどいアイディアだと冗談めかして締めくくっている。

これがシリアスに公の場でTSMCを破壊するのが一番良いことなのだと言った下院議員に対して、さすがに周りも確かにそれが一番良いとなると国際問題になるので、冗談めかして締めくくっている。

これまで万が一中国が台湾を侵攻したら、アメリカは中国に勝てない。それでも台湾を守ろうと思うと、台湾で一番価値のあるTSMCを爆破するのが一番だ。アメリカのメンツも立つし、台湾の人たちも守られると内々には何度か話してきている。

ただそれをパブリックな場で話はしてこなかった。リーク記事が出てきたりはしていたが、さすがにこれをオープンな場で言う者がいるのかというセンシティブな話題なので、グローバルフォーラムで話されることはなかったのだが、ついにオープンに話されるようになってきた。

あまりにも中国がアメリカに対して挑発をしてくるので、今まではインターナルで話をしてきたことだけど、公の場で言及することによって、中国と台湾の関係は分かっている。バカなことをやったら、TSMCを爆撃するぐらいの考えがアメリカにあるのだと、台湾と中国に対して警告をしているというパフォーマンスなのだ。

中国が台湾を侵攻すれば、台湾有事はアメリカの有事だとロビイストがワシントンDCで騒いで、あれをくれ、これをくれ、最先端兵器をくれと言ってきた。アメリカが今までに台湾に出した兵器の技術の多くが、あっという間に中国に流出している。そのまま中国に転売されていることを把握しているので、アメリカは最先端兵器を台湾に渡したくない。

台湾有事だ。台湾はアメリカの友達だと迫ってくると、アメリカとしても台湾に やり過ぎはよくないと釘を刺したい。世論を煽られて、どうして台湾は友達なのに最先端兵器を売らないのだというムードになるのも困る。

アメリカとしては、TSMCは中国の仲間だと分かっている。そうやっていつまでも芝居を打っていると、TSMCを爆発するぞと公の場で、中国と台湾に対して脅しをかけたのだ。


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