東芝三分割、バイセル粉飾と日本型報酬経営の課題 (2022.1.17) No.193


東芝三分割、バイセル粉飾と日本型報酬経営の課題についてお送りしたいと思います。
最近、話題の東芝三分割案ですね。東芝グダグダすぎて見ていて大丈夫なのって、最近みなさん思っていらっしゃると思いますが、もうこの何年も粉飾決算やったり、儲かってるドル箱を事業を売却したり、村上ファンドに突き上げられ、別のファンドによって一回上場廃止しようかみたいなことを、ちょっと言ってみたりとか、けっこう二転三転ドタバタとしてきたんですけれども。
なぜそういうわけ分かんない事になっちゃうのかという、東芝三分割案の前に、色々と日本の会社の大企業病的な問題が、なぜ起こってるのかっていうことを話しをしたいなと思います。

まず粉飾決算なんだけれども、今の粉飾してるとかどうかとかではなくって、前にちょっと指摘があった、東芝7年間に及ぶ粉飾利益水増しが2000億円を超えていたとか、そういうことが言われていたんですが、それがなぜ起こったのかっていうことなんですよね。
このエレクトロニクス関連企業のメーカーさんは取引先が多いので、けっこう水増しができるんですよ。しかも国内だとバレるかもしれないんだけれども、国外企業に発注しているとですね、やっぱり国境を越えると見えにくくなる部分ってあるんですよね。そういったことを利用して、バイセル取引という取引を通じて、水増しを東芝行っていた。
このバイセル取引っていうのはですね、バイは買うですね。バイセルは売るです。この売る買うの取引ですね。その取引先のメーカーさんが組み立て企業とか OEMのメーカー工場なんかにですね、じゃあこの部品で組立ててくださいっていう時に、部品を有償で送って、そして完成になって出来上がったものを買い取るって言うね、こういう取引をしてるわけですよ。これバイセル取引って言うんだけれども。
部品を送って最終的に買う。なのでこの売る時に最初にももうねえ、かなり利益を乗せて売って、最後の買い取り価格同じだからもういいじゃんみたいな感じで、売る時に何て言うのかな、ネジ一個とか部品一個を4倍とか8倍の値段で売りつけるわけですよ。そうすると利益が出るんですよね一時的に。
こっちのメーカーはどうかって言うと、組み立てて買わされるんだけれども、どうせ最終的に日本の企業買ってくれるやっていうことなので、言われるがままの値段で買うんですよ。そういう持ちつ持たれつって言うね、そういうズブズブの関係を築き上げてきた。
特にバイセル取引で水増しに加担していたのだがですね、台湾の組み立てメーカーでしょっていうことが指摘されていて、これね台湾の組み立てメーカーって言われてるんだけど、まぁねやってるのおそらく台湾だけじゃなくって、中国とかのメーカーも、日本企業のそういう水増しに加担してるんですよね。
そういうことをやってですね、東芝は7年かけてなんと2300億円の利益を水増ししていたよっていう過去が発覚してですね。数年前にホリエモンさんがですね、こんなタチが悪いのひどい。なんで俺の会社だけが東京地検にやられて、東芝はやられねえんだよ、みたいなことをね文句を言ってたんだけれども。それはねホリエモンが怒って当然だと思います。粉飾の額で言ったら、ライブドアよりも東芝の方がひどいのに、なんで東芝はいいんだよって、不公平じゃないかって思うのは、それはもうホリエモンのご指摘の通りですね。
この日本の社会って大企業が粉飾したり、なんかそのね悪いことをしても、なぜか政治家とか官僚とか検察と握っててですね、絶対に捜査されることがないって、この謎の関係を築き上げてるんですよね。
そのためにせっせと天下りなんかを引き取って、いろんな警察 OB とかね、東京地検のOBとかを引き取って飼って食わしてやってるので、自分達は絶対安泰なんだっていうその建て付けが、より一層腐敗を産むという形になってるんですよね。
こういう日本の大企業がですね、この中国、台湾、韓国。韓国はどれくらい加担しか分からないんだけど、海外の東アジアのお取引先を使ってですね、利益の水増しをやってると結構これもう常態化していて、ほんとひどい状態なんですよね。
実はねシャープも結構ね、鴻海の関連会社に期末頃になると、来期の売上分の伝票まで突っ込んじゃって期末に。そしてちょっと大目に計上するみたいなことを、どうもやっているということがですね、内部からチラホラ聞こえてですね、それがいま始まったことじゃないんだけれども、昔からこういうことをやっていて、一体いつになったら、まともな経営するんだみたいなことね、ぶつくさ言っている人もいます。
であとはね日本のエレクトロニクスデバイスが、なぜその競争力を失うのかって事もこれもね、ズブズブの関係があるからなんですよ。私この業界入って10年。10年前に会社を立ち上げて、いろんな大企業さんの中国支社なんかを見て回って日本のね、いろいろ驚いたんですが、中国支社長になる人たちがですねえ、取引先の中国企業からの部品をかなり高いお値段で買ってるんですよね。高い値段で買う理由は何かって言うと、高い値段で買ったら、その取引先からキックバックがもらえるわけですよ。支社長クラスは。そのキックバックを稼ぐために、コストの高い割高な部品を買うわけなんですよね。なのでそういうものがですね。行く行くは最終製品に跳ね返ってきて、日本の製品は何かちょっと高い割高だねっていうことになってるんですよ。そういうのをやっぱりなんか自分は現場で見てきて、このままだと日本の会社っていうのはダメになるだろうな。日本の大企業、エレクトロニクスを中心にダメになるだろうなって予見したんですけど、やっぱり本当にダメになりました。
あと経営陣がどうしてそういうことをするのか。どうして小遣い稼ぎに走るのかっていうことなんですけど。これはねもう日本の大企業の経営幹部のモチベーションの低さすごいんですよ。皆さんね会社の経営者ってどんなんだろうって想像すると、ようし売上を上げてやるとかね、このビジネスで世界を席巻してやるみたいなさ、テスラのイーロンマスクとかスティーブジョブスとかさあ、ああいうの想像してると思うんですけれど、日本はちょっと違うんですよね。
その大企業の社長とかにねやっぱ10年ぐらい前に会っていろいろ話を聞くと、「いやいや深田さん僕の夢はね、売り上げを伸ばすことじゃなくって現状維持。できたら毎年1%とか2%ずつ売り上げがちょっと減って、3年から5年で僕は退職金がっぽりもらって退職するのが僕の夢なんです」みたいな人が、皆さんよくご存知の大企業のトップやってるもんなんで、絶対そのね会社が成長するわけないんですよ。
取引先からキックバックを貰う。会食で美味い飯を食う。まあ私みたいなんと飲みに行っても楽しくないわけです。私と飲みに行っても、2軒目3軒目にお姉ちゃんのお店に行けないんですよね。男同士で2件目3件目にかんないのお姉ちゃんの店に行くね。あのかんないの中国人のお姉ちゃんの店に遊びに行くとか。そういう事の方が楽しい人たちなんですよ。皆さん中国取引先なので中国に行ってですね夜総会ね。中国の夜総会って言うのはまあ中国のキャバクラみたいなものなんだけれども、日本と違うのはですね、お姉さんが付いて、一緒にお部屋まで帰って来てくれるという、そういうサービスも付いてるわけなんですよね。
なんかそういうのを楽しんでいる人たち、そして給料が安いから、そういうフリンジベネフィット(付加給付)ですよね。自分の役得を追求する以外何もない。本業を頑張る意味はない。本業を頑張ったって給料安いんだみたいな、やる気ないんだ俺はみたいな。もう社内での足の引っ張り合いで、サラリーマンとして仲間と戦ってきて、俺はのし上がってきたんだっていう人の、その燃え尽き感すごいんですよね。
なのでそもそも社内紛争の中で勝ち抜いてきた人なので、基本的にその内向きなんですですよね目線が。そして他の会社知らない。外の会社で働いたことがないので、客観的に自分を見ることができないんですよね。
そもそも社内にその評価システムが、成果で評価しせずにですね、マイナスね失敗したらマイナス、失敗したら失脚でやってるんで、成果を出したら褒められるっていうそういう制度も全くないので、全くプロの経営者であるっていう意識が育たないんですよ。
そして給料安いでしょ。給料安いとプロ経営者も来ないんですよ。どれぐらい日本のそのね給料安いかって言うと、やっぱ海外とか欧米だとかだとですね、みんな5億、10億もらってるので、一緒に遊びに行ったら、がっぽりってかね、すごい高い所に遊びに行ったりしてですね。対等の付き合いが難しいんですよね。
そうすると見栄張って対等の付き合いしようと思うとですね、取引先のキックバックに頼らないといけないみたいな、そういうジレンマにどんどん陥ってくんですよ。そういう風になっちゃうとですね、なかなか給料が安いので、サラリーマン社長、社内から上ってきた人しかいない。外から人がなかなか入ってこない。プロ野球みたいに、そういう腕一本で食ってるプロ経営者っていうのが、なかなか日本の大企業に入ってこない。
入ってきたかと思ったらカルロスゴーンみたいに、経営立て直したらおいしいところを持ってくために、東京地検に刑事告訴して、みんなで経営会議で役員全員が満場一致で損失の付け替えやってもいいよっていうことを決議したのに、なぜかカルロスゴーンだけが悪者になって、刑事告訴で逮捕されて収監されるって、こう言うわけわかんない、デタラメやってるんで、こういうアンフェアなことを平気でやってるから、まともな経営ができないんだよねと。
こういう何て言うのかな、自分たちの仲間を、社内の人たち、自分たちでそれはいいよと言って決議を取ったことをもとに嵌める。そういうことを平気でできるのなぜかって言うとですね、これやっぱね雇ってる人に対してもそうなんですよね。私は会社勤めをしていてですね、やっぱりそのいびり倒して社内でねやっぱり、その気に入らない奴をいじめ倒して辞めさせてやるって言うね、そういう上司はやっぱりいるんですよね。
もう私なんかは結構はっきりしてる性格なので、あなたはこの会社に合わない。パッケージ6ヶ月分のパッケージやる。一年分のパッケージやるから辞めろよって、はっきり言えばって思うんですよ。自分がそういう辞めて欲しいと思われる立場に立ったらさ、はっきり言われた方がいいもの。その方がフェアでしょ。そういうフェアなことができない法律体系にもなってるってかね、クビにされ解雇を言われた方は、労働組合と一緒に労働争議を作ってですね、ガタガタやって何年も給料をせびり続けるっていう事が出来る、出来ちゃう仕組みになってるから、そういうのもなかなか難しいんだけれども。
それでもね外資系企業は日本国内で、解雇しますっていう時に、パッケージあげるからさっさとあなたは今日ここまでです。半年分の給料はすぐ振り込みます。ダンボール箱にお前の荷物は全て入ってるから、一階の受付で荷物もらってとっとと出ていけって言った方がすっきりするでしょ。
そういうことをやらずにですね、ネチネチネチネチ社員をいじめて辞めさせる。社員をいじめて辞めさせることが当たり前だと思ってるから、カルロスゴーンも東京地検まで使ってハメて辞めさせるって平気でやる。こういう日本型経営の間違った部分だよね。人と対峙する時に相手に対するリスペクトがなさすぎる。この問題はね本当に根深いなと思うんですよ。
あとはそもそも給料が安い。そして役員報酬の問題があるんですよね。役員報酬非常に安いんですよ。なんで安いかって言うと、役員報酬がねこの税制上の損金算入できないんですよ。すごく損金算入するのが難しい建て付けになっていて、役員の報酬ってどういう風に決まるかと言うとですね。期末で締めて、そして株主総会を開いて、前年はこれだけ利益が伸びたから、じゃあこの人の役員報酬っていうのは今期はこれぐらいだねっていうことを、次の株主総会でやるわけです。
私もそうなんですよ。だから今期すごく儲かったからその中からボーナスがっぽりもらおうとはできないんです。やろうと思ったらできるんだけど、そうすると2回税金払うことになるんですよね。会社は法人税払って、私にボーナスを払ってもその分も税金を払って、さらに私は税金を払うって、こういうことになるんですよ。そういう役員報酬がその損金算入できない。損金として認められないという税制上の問題があるので、その年の短期インセンティブですね、ボーナスっていう形で、インセンティブを与えることができないんですよ。
なので日本の社長CEOの報酬の平均中央値がだいたい1.4億円なんですが、アメリカは15.7億円。中央値ですよこれ。イギリスが5.7億円、ドイツ6.3億円、フランスで5.3億円なんですよね。そうするとやはり日本の役員報酬ねすごく安いって皆さん分かると思うんですよ。
1億もらってたら十分でしょって思うかもしれないんですけれども、でも同じそのグローバル企業の経営者として、グローバル企業だから友達もグローバル企業の社長なわけ、その時に自分のランクがこう(下)なっちゃうわけですよ。社内ではピラミッドのトップなんだけど、並んだ時にこうなるわけです。奈良県で自分は成績が1番だと思ってたけど、東大に入ったらビリだったみたいなね。そういう現象が起こるわけなんですよ。
そうなった時に、日本の大企業の社長ってコンプレックスすごく抱くんですよね。
役員報酬のインセンティブ設計も欧米はちゃんとね固定報酬ね、毎年絶対これもらいますっていう固定報酬と、その年に利益が出たら短期インセンティブでボーナス何パーセント、利益に対して何パーセントこれぐらい出します。そして3年5年10年みんなで頑張ったらどれぐらいインセンティブがあるのかっていうのがね、ストックオプションで与えられて、会社の業績が良くなったら、その株価が上がるんだからその分もインセンティブの報酬として君は受け取ることができるんだよ。こういう設定になってるんですよ。でも日本は固定報酬しかなくって、短期のインセンティブその年のボーナスはほとんど変わんないし、そしてストックオプションもちょびっとしか無い。なのでその中長期的な経営をするっていうインセンティブが湧かないんですよね。なので俺は2、3年かけて少しずつ会社の売り上げを落として、評価もされずに無事に退職をして退職金をもらうというのが僕の夢です、という大企業の社長がわんさか生まれちゃうわけですよ。
そういうのを10年前にやたらその手の大企業の社長に会い、しかも日本もプロ経営者っているんですけど、もうね性根の腐ったプロ経営者しかいないんですよ。どういうプロ経営者かって言うとですね、その会社で社長として雇われてるのに、いつも履歴書を持ち歩いてる社長がいて、深田さんの履歴書ちょうだいってその人にある日言われて、履歴書なんか持ち歩いてませんよって言ったのその人に。そしたらその人に「君は何を言ってるんだ。履歴書も持ち歩かない女のか君は。僕を見なさい。僕は毎日履歴書を持って歩いてるんです」って、いやいや自分社長やろ。社長やのにお前いつでもこの会社捨てて転職してやる思って、履歴書持って歩いてんのかよみたいに私には見えましたね。
そういうもうやる気の無い経営者が多すぎて、それは何もかもこの報酬の設計がすごく悪いんですよね。固定報酬もがっぽり払う。そしてその年頑張って利益がドーンと伸びたらその分もバーンと報酬を払う。ボーナス出す。短期インセンティブ出す。そして長期間会社がすごく稼ぎやすい体質になる、体質改善をするというそういうインセンティブを与えられるように、中長期型のインセンティブも設計するということをやらないといけないんですよね。
でそれなんでやっぱり出来ないかって言うと、そもそも報酬が損金勘定に、損金に組み入れられないっていう処に足枷があってですね、そこはやっぱり税制を変えていかないといけないんじゃないかなと思います。
自分の給料安い人たちはですね、社員の給料もあげてやんなきゃっていう気持ちにならないですよね。自分の給料もそこそこなので、他人のことまで頭回らないんですよね。そういう社長とか経営者クラスがですね、自分たちは頑張った分だけ給料、報酬が増えるんだってことをモチベーションに頑張れば、自分達も社員を使う時にですね、この人たちも頑張ったら、頑張った分だけ金をやらないと、モチベーションの維持ができないんだっていう頭に切り替わらないと思うんですよ。
そういうところから見直していかないといけないんじゃないのかな、日本型経営はと思いました。そういう真面目に経営する気が無いのが、東芝は外から見てよくわかりますよね。
私社長だったらまず東芝メモリわざわざ切り出してキオクシアにせえへん。東芝メディカルも売らへんかったと思う。だって東芝の中で稼いでる部門を切り出すことの意味が判んないですね。それ稼いでる部門を切り出したあと、あなた達は何で稼ぐ気なんですかって東芝に電話して聞いたことがありますが、明確な琴絵は返って来なかったんですよ。なぜ答えられないかって言うと、考えてないからでしょ。
そうやってなぜ自分たちはそれをするのか。そして売却した後に、自分たちは何を経営の中心軸に持ってくるのかっていう、そういう当たり前の質問に回答できない経営をするっていうのは、不真面目な経営だと思うんですよね。だからその三分割する案を出しました。じゃあ三分割した後に何が中心になるんですか。持ちつ持たれつで行こうと思ってませんかねぇみたいなね、そういう風に思われちゃうわけなんですよ。そのどこの市場で新しいビジネス、何を軸に僕たちはやって行くんだって、そういうメッセージが無いままの東芝はこれからも迷走するんじゃないのかなと思います。

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